2018年02月15日
こんにちは、アースケアの下田梨絵です。
今回は、化粧品の成分に関する誤解をひとつ、解いておこうと思います。
実は、ウキウキメイトの皆さまから、ときどきこんな質問をいただきます。
化粧品会社が、自社の化粧品に配合している成分の話をするとき、『自然』『天然』に対して、『化学』『合成』という2つの区分を出すことがあります。
「天然成分100%の自然派化粧品だから、肌にやさしい」
「合成成分を一切使わない、オーガニック化粧品です」
といった説明に使われます。
このような宣伝の影響で、一般的には、
「天然ってことは、自然なものだから、肌に良い」
「合成は、人工的に作られているから、肌に良くない」
そんなイメージを持っている方が多いように思います。
でも、実は、これは誤解です。
天然・自然成分とは?
人の手が一切加えられていないもの、あるがままのものは、新鮮で栄養が豊富な印象がありますよね。
ですから、「自然界にあるものが安全だ」と思うのかもしれません。
ところが、化粧品の原料に関しては、「天然・自然のものの方がいい」となるわけではありません。
オリーブオイルを例に考えてみましょう。
世の中に同じオリーブはひとつも存在しない
同じ品種のオリーブでも、日本で育てたものと、地中海で育てたものは、味や風味が異なり、「同じものは出来ない」と言います。
もっと言うと、同じ土地で同じ苗から育てたとしても、大きさや形、皮の厚さ、色、味も異なるものができます。
自然界のものは、その土地や環境によって、その姿を大きく変えるものなのです。
つまり、『まったく同じものは2つとして無い』ということですね。
さて、この自然・天然のオリーブを使って、化粧品を作ったとしたらどうでしょうか?
作った場所・環境・育て方等によってできあがるものが異なるということは、
「先月買った化粧品は肌に合ったけど、今月買った化粧品は合わなかった」
ということが起こりえます。
つまり、化粧品の質・成分の質を一定に保つことができないということです。
これを、化粧品の成分の話では、『不安定な状態』と言います。
おいしいオリーブオイルは、肌に悪い?
また、自然界で育ったオリーブを使って、オリーブオイルを作ります。
天然・自然のものには、さまざまな栄養素が含まれています。
その栄養素が、オリーブオイルの風味や味を作り出します。
食用のオリーブオイルとしては、この栄養素はとっても重要です。
では、この風味のあるおいしいオリーブオイルを、肌につけるとどうでしょうか?
オリーブオイルを主体にした美容オイルってたくさんありますよね。
アクアテクトゲルにも、『オリーブ果実油』という名称の成分が配合されています。
「自然・天然の栄養たっぷりのオイルだから、肌にも栄養を与えてくれて、いい効果をもたらすんじゃないかな」
と思われるかもしれません。
でも、実はそうでもないのです。
逆に、このおいしいオリーブオイルを化粧品として使用すると、肌に刺激を与えたり、肌トラブルを招くおそれがあります。
というのは、まさに、『オイルに含まれる栄養素』が、肌にとっては刺激物になるからです。
化粧品成分の世界では、これを『不純物』といいます。
どんな成分の原料も、最初はこの不純物を大量に含んでいます。
そのため、天然から抽出したものをそのまま使わずに、『精製』という『不純物を取り去る工程』を行います。
さらに、天然ゆえに腐りやすいですから、腐らないように防腐剤などを添加し、安定性を高めてから初めて、化粧品に使える原料ができあがります。
いかがでしょうか?
「天然・自然」といわれる化粧品成分に対して、イメージが変わってきませんか?
まとめると・・・
そのため、
ということですね。
これを踏まえて、次は『化学』『合成』と呼ばれる化粧品成分について見てみましょう。
『化学』成分・『合成』成分
化学合成される成分の出発原料は、だいたいが石油です。
「え、石油?!それって危険じゃないの?!」
と不安に思われるかもしれませんが、もう少し先を読んでみてください。
石油は究極の『天然成分』?
石油からは、化粧品の原料以外にも、ガソリンなどの燃料や繊維、樹脂、洗剤、プラスティック容器、医薬品、などが生み出されます。
「ガソリンと同じ」と思うと、肌に悪いイメージを持ってしまうのも、無理もないです。
でも、石油は石炭や琥珀と同じように、太古の生物が長い時間をかけて、地球の奥深くで変化したものです。
乱暴な言い方かもしれませんが、天然の原料だと言っても過言では無いのです。
『オリーブ』も『石油』も同じ
化粧品に使われる石油は、高度な技術で精製され、『不純物』を徹底的に排除します。
これは、『天然・自然』成分にも行っていましたね。
同じように、石油から作る成分も精製をかけられ、化学的に純粋なものとして、化粧品会社に提供されます。
つまり、さきほどと同様に、『天然・自然』成分の例をオリーブとすると、
さあ、こうなると、『合成』『天然』という区分はあいまいになり、どこからどう分けているのか分からなくなってきませんか?
さらに、自然界で生まれるものを、そのまま成分として使用しない場合があります。
例えば↓↓↓
『化学的な天然成分』って何?
例えば、天然ローズ油。
これは、実際にバラから抽出されています。
1ミリリットル抽出するのに、数十本のバラが必要と言われており、価格も数万円します。
天然のものから抽出する成分は、異常なほど高額です。
これは、材料費や手間が膨大にかかるためです。
そのため多くの化粧品に配合される成分は、自然界のものからではなく、バイオの力で作ります。
いわゆる『天然由来成分』です。
これも『合成成分』です。
自然界に存在する成分を化学の力で生成するのです。
天然ローズ油のように、本当にバラから抽出したものではなく、いろんな成分を掛け合わせて作られた成分です。
無駄が無く、質・量ともに安定して生成することができるので、安全で、かつ、天然成分より非常に安価で作ることができます。
化粧品に使われる成分の多くは、この合成成分です。
『自然派化粧品』や『オーガニック化粧品』と謳われる化粧品にも、たくさん使われています。
(本来であれば、これは『合成成分』なのですが、『天然成分』『自然成分』という言い方をして売られることが多いです。これは、消費者に誤解を招くので、製造メーカーはきちんと表現したほうが良いと思います)
アクアテクトゲルに配合している『オリーブ果実油』『モモ葉エキス』など、一見、自然っぽい名前の成分も、すべて合成成分だと言えます。
では、化粧品会社がどうして『合成成分』を使うのか?というと、先ほど少しお話した通り、合成成分のほうが『安全』で、かつ『安定』しているからですね。
まとめ
いかがでしょうか?
「天然・自然成分は安心!安全」
「化学・合成成分はキケン!」
というイメージが、変わったのではないでしょうか。
本当は、原料が天然だからといって安心できるわけでもないし、合成だということで危険、 と簡単に区切られるものではありません。
そして、成分の安全性というのは、使う人によっても変わります。
ですから、もしこれまで、「天然・自然」=良いもの、「化学・合成」=悪いもの、という基準で、化粧品を選択されてきたとしたら、今回を機に、そのイメージを真っ白に戻していただきたいな、と思います。
そのうえで、あなた自身の肌にとって「安心・安全な化粧品とはどういうものなのか?」を考えていただければと思います。
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